2021年3月12日

マスクの功罪

寺島 恵 S49年社会学部卒
昨年7月から大学で対面授業が始まりました。もちろん自分も含めて全員がマスク着用です。前期は1週間に対面とオンラインで2週分の授業をこなすという荒技で、夏休みを挟んで7週で前期分の授業をすべて終えました。オンライン授業はどうとでもサボれる(教師側も学生側も)ので、なんだか気の抜けたような、授業料をもらうのが申し訳ないような、頼りないものでした。

夏休みを挟んで、後期は今度はすべて対面授業でした。こうなるとこちらも力が入ります。前期7回では全く覚えられなかった学生の名前も、後期では頑張って覚えました。しかし、何といってもマスクをしています。後期も終わりに近づいた頃、1人の学生がマスクを外してペットボトルからお茶を飲んでいました。その顔を見て、「え、Hanaやんね?Hanaってそんな顔やったんや…」というと、学生の方も、「メギー(と呼ばせています)、ひどいわ。ほんならメギーもマスク取ってえや。」というので、素直に「はい。」とマスクを外しました。とたんに、「えーっ、メギーってそんな顔やったん??!!」「ほらぁ…」お互いにびっくりしたことでした。

知っている人だと、案外マスクを付けていても誰だかわかります。(おばさんたちは更に帽子を目深にかぶるので、そうなるとちょっと苦しいですが。)けれども、初めからマスクを付けた顔しか見ていない人は、マスクを外すと全く誰だかわからないのです。実はマスクで隠れている部分を、自分の想像力で補っているのでしょう。しかも自分の好みのように…。コロナが収束して、みんながマスクを外して出歩くようになったら、また1から顔を覚え直し…ということになりそうな気がします。
それでも、やっぱり早くそうなってほしいものですね。
 
 
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